外に出づらい方の中には、人見知りや場所見知り、人と接すると疲れやすい、といった傾向をお持ちの方が少なくありません。
コミュニケーションが苦手、人と接するとすぐに傷ついてしまう、と感じている方にとっては、少しずつ人との関わり方を経験しながら、自分に合うコミュニケーションのパターンを身につけていくことが、気持ちを少し楽にする助けになることがあります。
社会不安に関する支援でも、恐れや回避の強い対人場面に段階的に取り組むことや、社会的なやりとりを練習していくことは、支援の重要な要素として位置づけられています。
ただ、その「少しずつ慣れていくための環境」に身を置くこと自体が、とても難しい場合があります。
まったく知らない場所、まったく知らない人ばかりの環境に入ることは、それだけで大きな負担になりやすいからです。不安は「何が起こるかわからない」という不確実さと深く関係しており、見通しの立つ環境や、ある程度予測できる状況は、不安の負担を和らげやすいことが知られています。
地域活動支援センターセラピールームひまわりには、現在7名の担当講師の先生が来てくださっています。個別カウンセリングを担当する土田先生、そして所長を含めると、総勢9名の体制です。
常に在室する人として所長が1名、曜日担当の講師が1名、そして個別カウンセリング担当が1名という体制をとることで、ひとつの施設に通うだけで、少しずついろいろな人と関われる環境になっています。
まずは場所や所長に慣れ、その安心感を土台として、新しい先生との出会いを少しずつ経験していく。その積み重ねが、人との関わりへの不安を和らげる一歩になるのではないかと考えています。
所長は心理職ですが、「利用者さんのカウンセラー」ではありません
「心理職だから、所長がカウンセラーなんですよね?」
そのように思われることがありますが、実は違います。
所長は日々、利用者さんのお話を伺ったり、一緒に考えたりすることはあります。しかし、それは日常の相談支援であり、心理カウンセリングとは役割が異なります。
セラピールームひまわりでは、所長は利用者さんの担当カウンセラーにはなりません。
理由は、毎日顔を合わせる職員が同時に担当カウンセラーになると、日常生活での関わりと心理療法の関係が混ざりやすくなるからです。このことを見学や体験利用の際にお伝えしています。
心理的支援では、安心して話せる関係だけでなく、適切な距離感や役割を保つことも大切だと考えられています。
また、施設生活の中では、
「今日は少ししんどそうですね」
「何か困っていることはありませんか?」
といった日常的な声かけや相談はありますが、それらは心理カウンセリングではありません。
そのため、「心理職だから何でも受け止める」「所長が自分の担当カウンセラーである」という関係ではなく、施設運営や日常支援を担当する立場として関わっています。
一方で、じっくりと自分自身について整理したいことや、継続した心理的な支援が必要な内容については、担当の心理カウンセラーが個別カウンセリングで対応しています。
個別カウンセリングの日には、施設での出来事についても安心して話せるよう、所長はカウンセリングには同席せず、担当カウンセラーが対応しています。
新しい先生との出会いも、ひまわりの大切な経験です
今日は、(一社)日本医療カウンセラー協会で講座を修了された卒業生の方が、実習でプログラムを担当する日でした。
新しい先生が新しいプログラムを担当される日は、利用者さんも「今日はどんなことをするんだろう」と楽しみにされています。
安心できる場所があるからこそ、新しい人との出会いも「怖いもの」ではなく、「少し楽しみなこと」として経験できるようになります。
セラピールームひまわりは、安心できる場所を土台にしながら、その方のペースで少しずつ人との関わりや活動の幅を広げていける場所でありたいと考えています。
場所に慣れ、人に慣れ、自分らしい距離感で人と関われるようになる機会の場として、セラピールームひまわりをご利用いただけたらなと思います。


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